こうえい会・施設長の一言 2021年6月号より[Vol.008]

コロナばかりじゃない。2021年も季節は巡る。 6月、爽やかな初夏。入道雲はもうすぐ。紫外線、白いアスファルト。髪をなびかせ握るハンドルとBGMの「君は天然色」。
♪ダッダッ、ダダッ、ダッ、ダダッダ♪ くちびる~つんと~尖ら~せて~♪
大滝詠一と松本隆作詞の名曲。明るいポップなイントロに続いて、やや平坦な歌声が個性的な空気感を作り、Color Girlへのほのかな思いを感じるワードが流れる。♫何かたくらむ表情は~♪ かわいらしさと憎めないしぐさに心は捉えられる。しかし若さや夏の輝きとは相容れない“思い出はモノクローム、夢枕、今も忘れない”の告白。青春には失恋や別れはつきものと思うのは普通。でもそれとは少し違う違和感。
このアルバムを作成途中に作詞家の松本隆の妹が心臓発作で倒れる。大平元首相が倒れた翌日、偶然に同じ病院の隣の部屋に入院。松本の急な事情で他の作詞家をとの依頼を大滝は「ゆっくり看病を。松本の詩じゃないと意味がない」「気長に待つ」と答える。数日後妹は息をひきとる。妹を看取った後、松本は渋谷の街を歩く。そこは色を失ってモノクロームに見えたと言う。“美(うるわ)しの Color Girl”に、色をつけて、はなやいで、空を染めてくれと願う。精神的なショックからの立ち直りには3ヶ月の時間が必要だったそう。曲に流れる、明るい旋律と同時に、この言いようのない透明な哀しみを表す何かがこのエピソードを知る事でしっくりくる。
愛する人を失う感覚は同じ経験でしか理解・共感できないとも言う。しかし、相手への思いや、酸いも辛いも、喜びも悲しみも分け合ってきた長い年月は、関係性が溶け合うというか、融合し合うというか、愛する人を失ったり、近しい人が哀しみを抱える事はまるで自分の体が引き裂かれる思いなのかもしれない。介護を行っていると時に家族よりも長い時間を利用者さんと過ごす。当然自分の家族の方が関係性は強いのだが、例えば入居者Aさんが便秘6日目で排泄があった事に心がホーッとする自分を見いだす。コロナを乗り越えて、沢山のColor Girlsと爽やかな夏を過ごして行きたい。

photo旭川グループホームこうえい会

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