こうえい会・職員の一言 [Vol.029]

 「ねんねん‥・ころりよ~おころりよ~‥ぼぉやは‥よいこだ‥ねんねしなぁ‥・」ある日、トイレの中での出来事です。子守唄を唄いながら、お腹をゆっくり、ゆっくりさすって「生まれてくるこの子の為に・・・死んだ母親が来ているから」と、少しせつないやさしい表情で話し、唄っていました。日本の伝統的な子守唄で、子守唄のルーツになったものといわれている「江戸子守唄」です。大切な自分の子を思い、また、自分の為に唄ってくれた母を思い出し自分の思いを伝えたのかもしれませんね。小さな優しさと思いは、大きな癒しになります。その方は「私はね、わからないことを忘れてしまうの。だけど、この子は私のところに来てくれたの。だから、幸せになってほしいの‥・この子の為、死んだ母の為に‥・」と唄っていました。ある方は「何だかんだっても、帰れる家があるって嬉しいことだよ。」と息子さんに感謝されている方がいます。毎週のように、心配し元気でいてほしいとの思いの中、自宅に迎え入れることは大変ご苦労と思います。帰館時では、とても良い表情で「楽しかった。優しい子なんだ。ありがたい」と満足し安心し感謝されています。そして、次回を楽しみにされ自慢に思っています。また、「いつの日か、自分の足で歩きたい」との思いがあり、幾度となく手術をされ入退院を繰り返している方がいます。毎日襲ってくる痛みにも耐え、色々な困難さえも努力に変え立派な方です。度重なる手術に「それでも生きたいんだ」と、語った言葉の重みに涙がこぼれます。ある老人病棟で発見された詩に「私は年老いてしまった。時の流れは情け容赦なく年寄りを愚かにみせ身体をボロボロにし美しさも精気もどこかに追いやってしまう。でも、この朽ちかけた肉体の奥には若い娘がいまだに棲んでいるの。駆け足で通り過ぎていった、あっというまの年月を思うと人生のはかなさを思い知らされる。だから、私をしっかり見て。」と。どの方達にもその人の物語があり、その物語は今も続いているのです。私もいつの日か、皆様のように私の家族を思い私の物語を語ることのできるおばあさんになりたいです。

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