ある夜勤での一コマ。入居者の皆さんが眠りについた頃、かすかに聞こえてきた物音に、これはAさんかな?皆さんより一足早く休んでいたAさんはそろそろ一回目のトイレに起きる頃です。Aさんの居室をそっとのぞくと薄明かりの中で衣装ケースを動かそうとしている姿が見えました。高齢で骨も弱くなっているため、ケガをしては大変だと思い、急いで中へ入り対応すると「ああ良かった、死ぬかと思った。助けの神が来た。」と私の手をギュッと握って更にひと言「おしっこ。おしっこしたいんだ」それじゃあトイレに行きましょうと手を引いて案内をしているとああ、助かった。助けの神が来た」と繰り返し、ほっとした様子のAさん。トイレを済ませて入床した後、今度は「淋しいなぁ」とポツリ。一人になるのがいやだった様子。しばらく側に居て見守っていると、別の入居者さんがトイレに起きたので行かなければならない事を伝えると「うん、行っといで。ちゃんとしちゃんなよ。」と気づかってくれながら見送ってくれたのです。さっきまで寂しがっていたのに、他の人が助けを必要としているのが解るとちゃんと心配りをしてくれる優しいAさんの一場面でした。
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- こうえい会・職員の一言 [Vol.007]